CRPSの1型と2型の違いは、原因となる明らかな神経損傷が認められるかどうかにあります。ご自身の症状がどちらに該当するのかを正しく見極めることが、適切な治療や支援を受けるための最短ルートと言えるでしょう。
この記事で診断基準から4つの治療法、後遺障害認定のポイントまで詳しく確認し、痛みから解放されるための第一歩を踏み出してみませんか?

- 1型と2型の決定的な違いは神経損傷の有無
- ブダペスト基準による診断と早期改善する4つの治療
- 後遺障害認定の要件と活用できる公的支援制度
crps 1型と2型の違いは神経損傷の有無

それでは、crpsの1型と2型にどのような違いがあるのかを整理していきましょう。
1型(旧RSD)
crpsの1型は、かつてRSD(反射性交感神経性ジストロフィー)と呼ばれていた病態を指します。
このタイプは、骨折や捻挫、打撲などの外傷や手術の後に、その怪我の程度とは不釣り合いな激しい痛みが続くのが特徴です。
実はcrps患者さんの約9割がこの1型に該当すると言われており、多くの人が悩まされているタイプなんですよ。
1型の最大の特徴は、検査をしても明らかな「神経損傷」が認められないことにあります。
それなのに、灼熱痛やむくみ、皮膚の変色といった強い症状が出てしまうのが非常に厄介な点ですね。
原因がはっきり特定できないケースも一部存在しますが、早期に適切な対処を始めることが回復への第一歩となります。
【用語解説】RSDとは、怪我をした後に交感神経が異常に興奮し、血流障害や骨の萎縮、激しい痛みを引き起こす状態のことです。

1型は「神経の傷が見えない」からこそ、周囲に理解されにくいのが辛いところですよね。
2型(旧カウザルギー)
crpsの2型は、以前はカウザルギーと呼ばれていたもので、明確な「末梢神経の損傷」がある場合に診断されます。
例えば、深い切り傷や交通事故による重度の外傷、あるいは手術中に神経が直接ダメージを受けた後に発症することが多いですね。
損傷した神経の支配領域を超えて痛みが広がることもあり、電気が走るような痛みや、焼けるような「灼熱痛」が非常に強く現れます。
1型に比べると発症率は低く、全体の数パーセントから10パーセント程度とされています。
私たちが日常で経験する痛みとは比較にならないほど強烈なため、日常生活に大きな支障をきたすケースが少なくありません。
痛みの性質を正しく把握するために、電気生理学的な検査が行われることもあります。
【用語解説】カウザルギーとは、ギリシャ語の「焼けるような痛み」を語源とする言葉で、神経損傷後に起こる持続的な激痛を指します。



明らかな神経の傷があるのが2型なんですね。 1型よりも痛みが激しいイメージでしょうか?
神経損傷の有無
1型と2型を見分けるための決定的なポイントは、臨床的な神経損傷の有無です。
どちらのタイプも、現れる症状(痛み、むくみ、皮膚の変化など)自体には本質的な差がないと言われています。
しかし、2型の場合は検査によって「どの神経が傷ついているか」を具体的に特定できる点が大きな違いですね。
医師は、神経伝導速度検査などの電気生理学的な方法を用いて、神経のダメージを慎重に確認します。
この判別を行うことは、今後の治療方針を決めたり、後遺障害の等級を検討したりする際にも非常に重要になってきます。
どちらの型であっても、発症から4ヶ月以内の早期介入が予後を左右するという点は共通しています。
まずは自分の痛みがどちらのタイプに近いのか、専門医による診断を受けることが大切です。
| 比較項目 | crps 1型(旧RSD) | crps 2型(旧カウザルギー) |
|---|---|---|
| 神経損傷 | 認められない(証明できない) | 明確に認められる |
| 主な原因 | 骨折、捻挫、打撲、手術など | 神経への直接的な損傷、深い外傷 |
| 発症割合 | 全症例の約90% | 全症例の約4%〜10% |
| 痛みの範囲 | 外傷部位を超えて広がる | 損傷神経の支配領域+周辺 |



症状は似ていても、神経が傷ついているかどうかが大きな分かれ道になるんだよ!
ブダペスト基準に基づくcrpsの診断と症状


次に、医師がどのようにしてcrpsを診断するのか、その基準について見ていきましょう。
ブダペスト基準
現在の医療現場でcrpsの診断において世界標準となっているのが「ブダペスト基準」と呼ばれるものです。これは国際疼痛学会(IASP)によって策定されたもので、以前よりも厳格に診断を行うために作られました。診断には、患者さん自身の「自覚症状」と、医師が診察で確認する「客観的徴候」の両方が必要となります。具体的には、感覚・血管運動・発汗/浮腫・運動/萎縮という4つのカテゴリにおいて、基準を満たしているかをチェックします。この基準が普及したことで、他の病気とcrpsをより正確に区別できるようになりました。厚生労働省の判定指標と併せて、日本の臨床現場でも必須の診断プロセスとして定着しています。出典:厚生労働省(研究班報告), 日本ペインクリニック学会



世界共通のルールがあるんですね! 素人判断ではなく、プロの基準で診てもらうのが一番ですね。
自覚症状の確認
診断の第一歩は、患者さんがどのような痛みや違和感を抱えているかを丁寧にヒアリングすることから始まります。
crpsでは、触れられただけで激痛が走る「アロディニア」や、通常よりも強く痛みを感じる「痛覚過敏」などがよく見られます。
また、痛み以外にも「皮膚の色が変わる」「異常に汗をかく」「関節が固まって動かしにくい」といった症状を自覚することがあります。
これらの症状が、怪我をした場所以外の広範囲に及んでいるかどうかも重要なチェックポイントですね。
私たちが感じている「説明しづらい辛さ」を、医師はカテゴリに分けて分析してくれます。
まずは自分の症状が以下のリストに当てはまるか、確認してみることをおすすめします。
- 風が当たるだけでも痛い、あるいは服が擦れるのが苦痛である
- 患部が熱っぽく感じたり、逆に異常に冷たく感じたりすることがある
- 左右で皮膚の色が明らかに違い、赤みや青白さが目立つ
- 患部がパンパンにむくんでいて、重だるい感覚が続いている
- 爪が割れやすくなったり、毛が濃くなったりといった変化がある
- 指先や関節がこわばって、思い通りに動かすことができない



「気のせい」と思わず、どんな小さな変化でも医師に伝えるのがコツですよ!
客観的徴候の検査
自覚症状だけでなく、医師が実際に患部を見て、触れて確認する「客観的な証拠」も診断には欠かせません。例えば、皮膚の温度を測って左右差を確認したり、むくみの程度を実際に計測したりする作業が行われます。また、筋力の低下や、皮膚が薄くなってテカテカしてくる「皮膚の萎縮」なども重要な判断材料になりますね。最近では、サーモグラフィで皮膚温の変化を可視化したり、骨シンチグラフィで骨の代謝を調べたりすることもあります。これにより、患者さんの主観的な訴えが医学的な事実に基づいていることが証明されるわけです。早期の「Warm型(温かい)」から慢性的な「Cold型(冷たい)」への移行を防ぐためにも、客観的なデータによる評価は欠かせません。参考:はせがわ整形外科 運動器エコークリニック



目で見てわかる変化も診断には重要なんですね。 検査を受けることで安心感にも繋がりそうです。
crpsを早期改善する4つの主な治療法


辛い痛みを和らげるために、具体的にどのような治療が行われるのかを解説しますね。
薬物療法
crpsの治療において、薬物療法は最も一般的で、痛みのコントロールに不可欠な役割を果たします。
特に、神経の興奮を抑える「プレガバリン」や、痛みの伝達を和らげる「デュロキセチン」などの薬剤が第一選択としてよく使われますね。
これらは一般的な鎮痛剤とは異なり、神経障害性疼痛に特化した効果を発揮するのが特徴です。
また、炎症が強い場合にはステロイドが検討されたり、骨の代謝異常に対してビスホスホネート製剤が使われたりすることもあります。
最新のガイドラインでも、これらの薬剤を組み合わせた治療が推奨されており、個々の症状に合わせた処方が行われます。
薬を飲むことで痛みが少しでも和らげば、次のステップであるリハビリにも取り組みやすくなりますよね。
副作用の不安がある場合は、主治医としっかり相談しながら調整していくことが大切です。



薬は痛みをゼロにするためだけじゃなく、リハビリを楽にするための「武器」なんだ!
リハビリテーション
リハビリテーションは、crpsの予後を左右する最も重要な治療法の一つと言っても過言ではありません。痛みがあるからといって患部を動かさないでいると、脳がその部分を「動かせない場所」と認識してしまい、さらに痛みが強まるという悪循環に陥るからです。理学療法では、無理のない範囲で関節を動かしたり、患部を優しくさすって感覚を再学習させたりする「脱感作療法」などが行われます。最近では、鏡を使って健側の動きを患側に見せる「ミラーセラピー」というユニークな手法も高い効果を上げていますね。早期から適切なリハビリを行うことで、関節が固まる「拘縮」や、筋肉の萎縮を最小限に抑えることが可能です。無理は禁物ですが、専門のセラピストの指導のもとで継続的に動かすことが、完治への近道となります。参考:一般社団法人 日本ペインクリニック学会



動かすのが怖いときもありますが、ミラーセラピーのような方法なら少しずつ取り組めそうですね。
神経ブロック療法
飲み薬やリハビリだけでは痛みが改善しない場合、ペインクリニックで「神経ブロック療法」が検討されることがあります。
これは、痛みに関わっている交感神経や末梢神経の近くに、局所麻酔薬などを直接注入して神経の興奮を抑える治療法です。
代表的なものに「星状神経節ブロック」や「硬膜外ブロック」などがあり、血流を改善させて痛みの物質を洗い流す効果が期待できます。
交感神経の異常な反応を一時的に遮断することで、痛みの悪循環を断ち切るきっかけになるんですよ。もちろん、注射なので一時的な痛みはありますが、それによって長年の激痛が劇的に軽減するケースも少なくありません。
特に発症から間もない時期に行うことで、より高い効果が得られるとされています。
外科的な処置に抵抗がある方もいるかもしれませんが、専門医の管理下で行われる安全な治療法の一つです。
【用語解説】星状神経節ブロックとは、首の付け根にある神経の集まりに麻酔を行い、頭部や腕の血流を改善させる手技のことです。



ブロック注射で痛みのリセットボタンを押すようなイメージだね。 試してみる価値はあるよ!
脊髄刺激療法
他のどの治療法でも十分な効果が得られない難治性のcrpsに対して、検討されるのが「脊髄刺激療法(SCS)」です。
これは、脊髄の近くに細い電極を挿入し、微弱な電気を流すことで痛みの信号が脳に伝わるのをブロックする治療法ですね。
痛みが「トントン」という心地よい刺激に置き換わる感覚があり、多くの患者さんが痛みの軽減を実感しています。
最近では、後根神経節(DRG)刺激といったさらに精密なニューロモデュレーション技術も導入されており、選択肢が広がっています。
手術が必要にはなりますが、低侵襲なデバイスの開発が進んでおり、身体への負担は以前よりも軽減されていますよ。
まずは試験的に電気を流す「トライアル」が行われるため、実際に効果があるかどうかを確認してから本格的な導入を決められるのも安心なポイントです。
最先端の技術を活用することで、諦めかけていた痛みに新しい希望が見えるかもしれません。
脊髄に微弱な電気を流して痛みの伝達をブロックするこの治療法は、従来の薬や注射で十分な効果が得られない場合に検討されます。長年悩まされていた激しい痛みが軽減されることで、仕事への復帰や趣味の再開など、日常生活の質を大きく改善できる期待があります。



ハイテクな治療法ですね! トライアルで試せるなら、納得してから決めることができそうです。
後遺障害認定とcrpsの公的支援制度


治療を続けても症状が残った場合、どのような支援や認定があるのかを確認しておきましょう。
後遺障害等級認定
交通事故などが原因でcrpsを発症し、治療を尽くしても痛みが残ってしまった場合、自賠責保険や労災保険における「後遺障害等級」の認定を受けることができます。
認定される等級は症状の重さによりますが、一般的には7級、9級、12級などが検討されることが多いですね。
等級の判断基準としては、関節の可動域がどれくらい制限されているか、筋萎縮がどれほど進んでいるか、といった客観的な証拠が重視されます。
残念ながら「ただ痛いだけ」では高い等級の認定は難しく、医師による詳細な診断書や検査結果(骨シンチやレントゲンなど)が不可欠になります。
認定を受けることで、将来にわたる逸失利益や慰謝料などの補償を受けられる可能性が出てきます。
適切な認定を得るためには、初期段階からの通院実績と検査データの蓄積が何よりも重要です。
CRPSの障害認定や損害賠償請求は医学的・法律的な判断が非常に複雑で、診断書の書き方一つで結果が変わることも珍しくありません。適切な認定を受けるためには、主治医と連携しつつ、必要に応じて交通事故や労災に強い弁護士へ相談し、万全の体制で準備を進めるのが賢明です。



後遺障害認定は今後の生活を支える大事な権利だから、焦らずしっかり準備しようね。
指定難病の申請
crpsは、その希少性や治療の難しさから、国によって「指定難病(告示番号324)」に定められています。一定の診断基準と重症度分類を満たす場合、保健所に申請することで医療費の助成を受けられる「難病医療受給者証」が発行されます。高額になりがちな医療費の自己負担額が軽減されるため、長期にわたる治療を続ける上で非常に大きな支えになりますよね。ただし、すべてのcrps患者さんが対象になるわけではなく、日常生活に著しい制限があるなどの重症度判定をパスする必要があります。申請には都道府県が指定した「指定医」による診断書が必要となるため、まずは自分の主治医が指定医であるかを確認してみましょう。公的な支援制度を賢く利用することで、経済的な不安を少しでも和らげながら、治療に専念できる環境を整えることができます。出典:グローバルインフォメーション



難病指定の対象なんですね。 医療費の負担が軽くなるのは、家族にとっても本当に助かります。
crps1型2型違いに関するQ&A
最後に、皆さんがよく疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。



他にも気になることがあれば、ペインクリニックなどの専門外来で相談してみてね!
まとめ:適切な診断でcrpsの痛みを改善しよう
CRPSの1型と2型、それぞれの違いについて詳しく解説してきました!
最後にお伝えした内容をギュッと整理しておさらいしましょう。
- 1型と2型を見分ける最大のポイントは「明らかな神経損傷があるかないか」!
- 1型(旧RSD)は神経の傷が見えないタイプ。患者さんの約9割がこちらに該当します。
- 2型(旧カウザルギー)は神経の損傷が原因。焼けるような強烈な痛みが特徴です。
- どちらのタイプも、早期に適切なリハビリや治療を始めることが回復への最短ルート!
「原因がわからないのに痛い…」と一人で悩むのはもうおしまいです!
まずは専門の病院を受診して、今の自分の状態を正しく知ることから始めてみてください。
一歩踏み出すことで、きっと痛みのない日常を取り戻せるはずですよ。
応援しています!








