英語のレシピによく登場するwheatとflourの違いは、素材そのものを指すか、それとも粉末状のものを指すかという点にあります。海外のスーパーには膨大な種類の粉が並んでいるため、どれが自分の目的に合うのか判断できず困ってしまう場面も多いでしょう。
でも安心してください。それぞれの言葉の意味と分類のルールさえ分かれば、自分に最適な一袋を見つけるのは決して難しくありません。
この記事では、海外の小麦粉の種類や見分け方のコツ、さらには便利な代用テクニックまで分かりやすく解説します。読み終える頃には、英語のレシピも迷わず再現できるようになり、お菓子作りや料理がさらに楽しくなるはずですよ。

- wheatとflourの単語の意味と使い分け
- 強力粉や薄力粉に対応する海外製品の種類と分類
- 英語レシピでの小麦粉の選び方と代用テクニック
wheatとflourの違いとは?

英語でレシピを見ていると「wheat」と「flour」という2つの単語が頻繁に登場します。
まずは、この2つの言葉が指しているものの違いを正しく整理しておきましょう。
wheatの定義
wheat(ウィート)は、日本語で言うところの「小麦」という植物そのものを指す言葉です。
畑で栽培されている状態や、収穫された後の粒状の原料をイメージするとわかりやすいでしょう。
農林水産省の「農林物資の規格(JAS規格)小麦粉」においても、原料としての小麦の品質表示基準が細かく定められています。
つまり、加工される前の「穀物としての名前」がwheatなのです。
全粒粉を意味する「Whole wheat」も、この植物としてのニュアンスを含んでいます。
【用語解説】wheatとは、イネ科の植物である「小麦」の個体やその種子の名称です。
海外の食品ラベルでは、原材料名の筆頭にこのwheatの名前が記載されていることが一般的です。パンや麺のベースとなる、まさに命とも言える原材料のことだと覚えておいてくださいね。

wheatは「植物」や「粒」の状態で、まだ粉になっていないイメージだよ。
flourの定義
一方でflour(フラワー)は、穀物を細かく挽いて「粉末状にしたもの」を指す総称です。
実は、英語のflourという単語単体では、必ずしも小麦粉だけを指すわけではありません。
米粉であればRice flour、大豆粉であればSoy flourというように、何らかの原料を粉にした状態を広く意味します。
しかし、英語圏の料理の世界では「flour」とだけ書かれている場合、暗黙の了解で小麦粉を指すことがほとんどです。
基本的には「粉」全般を意味しますが、レシピ上では小麦粉の代名詞として使われます。コーンスターチなどの「澱粉(Starch)」とは区別されるので注意しましょう。
文部科学省 の『日本食品標準成分表』でも、粉末状に加工された段階の成分値が詳しく分類されています。料理の工程で「粉をふるう」などの表現に使われるのは、こちらのflourの方ですね。



flourは「粉の状態」を指すので、お米や豆の粉にも使われる言葉なのですね。
wheat flourの定義
wheat flour(ウィートフラワー)は、文字通り「小麦を挽いて作った粉」であり、私たちが普段使っている「小麦粉」の正式な英語表現です。
海外のスーパーで袋を手に取ると、大きくこの名称が書かれているはずですよ。
wheatは「小麦」という植物、flourは「粉」という状態を指すと考えると、違いがスッキリ理解できるのではないでしょうか。
日本でも最近では、でんぷんの老化を遅らせる「やわら小麦」を使用した高機能な製品が登場するなど、原料へのこだわりが強まっています。
製粉振興会のレポートによれば、小麦粉は原料となる小麦の種類によってその性質が大きく変化します。
そのため、単に小麦粉と呼ぶだけでなく、その中身(強力粉や薄力粉など)を詳しく見極めることが重要になってくるのです。
私自身も、最初はどちらを使えばいいのか迷いましたが、この関係性を理解してからはレシピの読み込みが格段に早くなりました。まずはこの基本のセットを頭に入れておきましょう。



wheat flourという表記があれば、それは間違いなく「小麦粉」のことだよ!
海外のflourの種類と選び方


言葉の違いがわかったところで、次は海外レシピによく出てくる具体的なflourの種類を見ていきましょう。
日本の分類(強力・中・薄)と対応させると非常にわかりやすくなります。
Bread flour
Bread flour(ブレッドフラワー)は、日本で言うところの「強力粉」に相当します。
タンパク質(グルテン)の含有量が高く、パンを焼いた時にしっかりと膨らみ、もちもちとした弾力を生み出すのが特徴です。
最近では、翌日になってもパンのやわらかさが持続する特殊な小麦粉も家庭用として登場しています。でんぷんの特性を活かした技術により、プロのような仕上がりが自宅でも楽しめるようになってきました。
製粉各社は、人口減少などの背景から、こうした「高付加価値」な粉の提案を強化している傾向にあります。美味しいパン作りを目指すなら、まずはこのBread flourを手に取るのが正解ですね。



パン作りには欠かせない粉ですね。強力粉と同じだと覚えれば安心です!
All-purpose flour
All-purpose flour(オールパーパスフラワー)は、その名の通り「多目的」に使える万能な小麦粉です。
日本の分類でいうと「中力粉」に近い性質を持っていますが、海外ではこれ一択であらゆる料理を作ることも珍しくありません。
タンパク質含有量はBread flourとCake flourの中間くらいに設定されています。
クッキーからパン、ホワイトソース作りまで幅広く対応できる、まさに家庭の強い味方と言える存在です。
| 粉の種類 | 日本の相当品 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Bread flour | 強力粉 | 食パン、ピザ生地 |
| All-purpose | 中力粉 | うどん、クッキー、料理全般 |
| Cake flour | 薄力粉 | スポンジケーキ、天ぷら |
日本穀物検定協会の解説によれば、小麦粉の性質はグルテンの量で決まるため、All-purposeはそのバランスが良いのが強みです。迷った時はこれを買っておけば、大抵の家庭料理には対応できてしまいますよ。



海外の家庭では、このAll-purposeを一番よくストックしていることが多いんだ。
Cake flour
Cake flour(ケーキフラワー)は、日本の「薄力粉」に該当する非常に粒子の細かい小麦粉です。
タンパク質の量が最も少なく、グルテンの形成が抑えられているため、サクッとした食感やふんわりした口当たりに仕上がります。
スポンジケーキやマフィン、タルト生地など、繊細な食感を出したいお菓子作りに欠かせません。
日本の天ぷらを作る際も、このCake flourを使うのが現地では最も成功しやすい方法です。
お菓子をサクッとした軽い食感に仕上げたいときは、タンパク質の少ないCake flour(薄力粉)を選びましょう。生地を混ぜすぎるとグルテンが出て食感が硬くなってしまうため、粉を入れた後はさっくりと切るように混ぜるのがコツです。
食品総合研究所の調査報告でも、薄力粉は粘弾性が低く、お菓子に適した加工特性を持つことが示されています。ふわふわのシフォンケーキを焼きたいなら、絶対にこれを選んでくださいね。



お菓子作りが大好きな私には、一番出番が多い粉になりそうです!
Pastry flour
Pastry flour(ぺイストリーフラワー)は、All-purpose flourとCake flourの中間に位置する、少し特殊な粉です。
パイ生地やタルト、デニッシュなど、適度なサクサク感とわずかな粘り強さの両方が必要なレシピで重宝されます。
日本ではあまり見かけない分類ですが、海外の本格的なベーキングレシピでは指定されることがあります。もし手に入らない場合は、All-purposeとCake flourを混ぜて自作することも可能ですよ。
海外のスーパーでは日本と表記が異なるため、パッケージの「Protein」の含有量を必ずチェックしてください。作りたい料理に対してタンパク質量が多すぎたり少なすぎたりすると、膨らみ方や仕上がりの硬さが大きく変わってしまいます。
海外のスーパーでは、こうした用途別の粉が非常に細かく棚に並んでいます。自分の作りたいものが「パン」なのか「お菓子」なのかを明確にすれば、自ずと選ぶべき粉が見えてくるはずです。



パイ生地を極めたいなら、このPastry flourを探してみる価値はあるよ!
海外のwheat flourを選ぶ3つのコツ


種類がわかっても、いざ現地のパッケージを見るとどれを買うべきか迷うことがありますよね。
ここでは、失敗しないための「選び方のコツ」を3つに絞って解説します。
タンパク質量の確認
最も確実な見極め方は、パッケージ裏面の栄養成分表示にある「Protein(タンパク質)」の量を確認することです。
小麦粉の性質を決定づけるグルテンは、このタンパク質から作られるため、数値を見ればその粉の正体がわかります。
一般的に、100gあたりのタンパク質量が約12g以上なら強力粉(Bread flour)、8g前後なら薄力粉(Cake flour)と判断できます。
中間の10g前後であれば、万能なAll-purpose flourだと考えて間違いありません。
タンパク質量の目安
- Bread flour: 約12%〜15%
- All-purpose: 約10%〜12%
- Cake flour: 約7%〜9%
文部科学省の成分表でも、このタンパク質含有量に基づいた分類が標準的とされています。パッケージの名称が紛らわしい時は、成分表のProtein(タンパク質)の数値を確認するのが最も確実 な方法です。



言葉だけじゃなく数値を見ればいいのですね。これなら失敗しなさそうです!
計量単位の把握
海外レシピで料理をする際、意外な落とし穴になるのが「計量単位」の違いです。
日本の1カップは200mlですが、アメリカの1カップは約240ml(8オンス)と、かなりの差があります。
粉の分量を「Cup」で測る場合、この容量の違いが仕上がりに直結してしまいます。
特にパンやお菓子作りでは、わずかな水分量のズレが膨らみ方に影響するため、細心の注意が必要です。
- 日本の1カップ:200ml
- 米国の1カップ:約240ml
- 英国の1カップ:約284ml(現在は250mlが一般的)
できれば計量カップでの計測ではなく、キッチンスケールを使って「グラム単位」で測ることをおすすめします。海外の優秀なレシピサイトでは、カップ表記と併せてグラム表記も載っていることが多いので、そちらを参考にしましょう。



重さで測るのが一番正確だよ。海外生活を始めるならデジタル秤は必須だね!
粒度と灰分の意識
最後は、少し専門的になりますが「粒の細かさ」と「灰分(かいぶん)」の意識です。
灰分とは小麦の外皮に含まれるミネラル成分のことで、これが多いほど色が濃く、風味豊かな粉になります。
日本の小麦粉は、この灰分量によって「特等粉」「1等粉」などの等級が決まっています。
海外の粉、特に全粒粉(Whole wheat)に近いものは灰分が多く、日本の白い小麦粉とは焼き上がりの色や香りが異なります。
灰分についての豆知識
灰分が多い粉は栄養価が高い一方で、グルテンの形成を少し阻害する性質があります。風味を活かしたいハード系のパンなどには、あえて灰分多めの粉を選ぶのが通の楽しみ方ですよ。
最近では、健康価値を付加した高食物繊維の小麦粉も注目を集めており、製粉技術の進化を感じさせます。用途に合わせて、真っ白でサラサラな粉を選ぶか、少し茶色味を帯びた風味豊かな粉を選ぶか、使い分けてみてくださいね。



粉の「色」や「手触り」にも注目してみると、お料理がもっと楽しくなりそう!
便利なflourの代用テクニック


お目当ての粉がスーパーにない時や、買い置きを切らしてしまった時でも諦めないでください。
手元にある粉を組み合わせることで、代用できる便利なテクニックがあります。
中力粉を代用する
海外レシピで指定されるAll-purpose(中力粉)が手元にない場合、強力粉と薄力粉を混ぜることで再現できます。
混ぜる比率は「1:1」にするのが最も一般的で、バランスの良い使い心地になりますよ。
例えば、クッキーやパウンドケーキを作る際に中力粉が必要なら、この配合で十分代用可能です。
強力粉の持つ弾力と、薄力粉の持つ歯切れの良さが合わさり、ちょうど良い食感を生み出してくれます。
特定の粉が足りないときは、強力粉と薄力粉を混ぜて中力粉に近い性質にするなど、配合を工夫することで代用が可能です。ただし、本来の粉とは性質が完全に同じではないため、水分量を加減しながら少しずつ試してみることをおすすめします。
日本穀物検定協会の資料でも、異なる性質の小麦粉をブレンドすることで用途に合わせた調整が可能であることが示されています。家庭料理であれば、この「ハーフ&ハーフ」の術を知っておくだけで、大抵のピンチは切り抜けられますね。



わざわざ中力粉を買いに行かなくても、家にある2つの粉で解決できるよ!
薄力粉を代用する
海外ではCake flour(薄力粉)が手に入りにくい地域もありますが、All-purpose flourに「コーンスターチ」を加えることで代用可能です。
コーンスターチを混ぜることで、全体のタンパク質比率を下げ、グルテンの形成を抑えることができます。
目安としては、All-purposeを1カップ計り、そこから大さじ2杯を抜いてコーンスターチに置き換える方法が有名です。
これでCake flourに近い、軽い食感の粉が完成します。
あくまで代用なので、本物のCake flourと全く同じ仕上がりにはならないこともあります。特に、非常に繊細なスポンジケーキなどの場合は、できるだけ専用の粉を探すのがベストですよ。
食品総合研究所の研究によれば、タンパク質含有量と粘弾性は密接に関係しています。コーンスターチはグルテンを持たないため、物理的にタンパク質を「薄める」効果があるわけですね。



コーンスターチで代用できるなんて驚きです!これでお菓子作りも安心ですね。
自家製セルフライジング粉
海外レシピ、特にイギリスやオーストラリアのレシピでよく見かけるのが「Self-rising flour(セルフライジングフラワー)」です。
これは、小麦粉に最初からベーキングパウダーと塩が配合された便利な粉のことです。 もしレシピで指定されたのに手元にない場合は、All-purpose flourに自分で添加物を加えるだけで簡単に作れます。
標準的な配合は、小麦粉150gに対してベーキングパウダー小さじ1強、塩ひとつまみ程度です。
まず、ボウルにAll-purpose flourを計量して入れます。そこにベーキングパウダーと塩を加えましょう。
次に、泡だて器やスプーンで全体が均一になるまでよく混ぜ合わせます。粉がダマになっている場合は、一度ふるいにかけるのが理想的です。
これで完成です。スコーンやクイックブレッドなど、膨らませたい料理にそのまま使えますよ。
この代用テクニックを知っていれば、海外のどんなレシピに挑戦する時も怖くありません。わざわざ特殊な粉を買い揃えなくても、基本的な粉と少しの工夫で料理の幅はぐんと広がります。



セルフライジング粉は、一度覚えるとパンケーキ作りなんかですごく便利だよ!
wheatflour違いに関するQ&A
まとめ:wheat flourを正しく使い分けよう
- wheatは原材料の小麦そのものを指し、flourは小麦を粉末状に加工したものであると理解できます。
- 海外の小麦粉は日本の分類と異なるため、ラベルの名称だけでなくタンパク質含有量を確認するのが重要です。
- 英語レシピのAll-purposeやBread flourなどの名称から、最適な用途を見分けられます。
- 目的の小麦粉が手元にない場合でも、他の粉類をブレンドすることで代用可能になり料理の幅が広がります。
「wheatは小麦という植物」「flourは粉という状態」を指す言葉。結論はとてもシンプルです。
海外のレシピやスーパーで迷ったら、まずはパッケージの裏側を確認しましょう。見るべきポイントは、タンパク質(Protein)の含有量。
これさえ分かれば、日本の強力粉や薄力粉と同じ感覚で使い分けられます。代用テクニックも意外と簡単。
ちょっとしたコツを覚えるだけで、海外レシピの料理はもっと楽しくなりますよ。
種類が多くて難しく見えますが、実は基準さえ知っていれば怖くありません。まずはキッチンにある小麦粉の成分表を見て、タンパク質の数値を確認することからスタートです。
自信を持って、気になっていた海外レシピにぜひ一度挑戦してみてください!








