電子車検証の普及に伴い、ICタグ付きの車検証と新しく交付されるようになった「自動車検査証記録事項」には、役割や記載内容に明確な違いがあります。
「サイズが小さくなって有効期限がどこに書いてあるか分からない」「一緒にもらったA4の紙は車内に置くべきなの?」と困惑する方も多いのではないでしょうか。
でもご安心ください。それぞれの保管ルールや正しい情報の確認方法さえ整理しておけば、いざという時に慌てる心配は一切ありません。
この記事を読めば、どちらの書類を車内に備え付けるべきかが分かり、電子化された新制度にも自信を持って対応できるようになるはずです。大切な愛車の情報を正しく管理し、迷いのないカーライフを送りましょう。

- 電子車検証はIC化で詳細非表示。全情報は記録事項に記載。
- 有効期限等の確認に必要。2026年まで両方の車内保管を推奨。
- 閲覧アプリで情報を確認。A4用紙に印刷して入手可能。
自動車検査証記録事項と車検証の主な違い

電子化によって新しく登場した「自動車検査証記録事項」と、これまでの「車検証」がどう違うのか、まずは全体像から確認していきましょう。
役割と定義
電子車検証が導入されたことで、従来の大きな紙の車検証は、ICタグが搭載された小さな「電子車検証」へと姿を変えました。実は、この電子車検証本体には最低限の情報しか記載されておらず、それを補完するために発行されるのが「自動車検査証記録事項」という書類です。
国土交通省の発表によると、電子車検証はA6サイズ相当の厚紙に変更され、券面で確認できる情報は車両番号や車台番号などに限定されています。そのため、有効期限や所有者の氏名といった詳細を確認するための補助的な役割として、記録事項という別紙が必要になったのです。
つまり、これまでの車検証が持っていた役割が、現在は「物理的なカード(車検証)」と「詳細なデータの控え(記録事項)」の2つに分かれたと考えると分かりやすいですよ。私たちが普段「車検証の情報」と呼んでいたものの多くは、今やこの記録事項側に記載されているのが実情です。
電子車検証はICタグに情報を蓄積する仕組みとなっており、デジタルでの情報管理が前提となっています。

これまでは紙1枚で完結してたけど、今は「カード+補助書類」のセットになったんだよ。
記載内容の差
電子車検証の券面と、自動車検査証記録事項では、目に見える情報の量に大きな差があります。電子車検証には、車検の有効期間や所有者の住所といった、変更される可能性が高い項目が直接印字されていません。
一方で、自動車検査証記録事項には、従来の車検証とほぼ同等のすべての情報が網羅されています。具体的にどのような違いがあるのか、以下の表で整理してみました。
| 項目 | 電子車検証(券面) | 自動車検査証記録事項 |
|---|---|---|
| 車両番号・車台番号 | 記載あり | 記載あり |
| 車検の有効期限 | 記載なし(IC内) | 記載あり |
| 所有者の氏名・住所 | 記載なし(IC内) | 記載あり |
| 使用者の住所 | 記載なし(IC内) | 記載あり |
| 帳票のサイズ | A6サイズ相当 | A4サイズ(原則) |
このように、記録事項には車検の有効期限が明記されているため、パッと見て期限を確認したいときは記録事項を見る必要があります。ICチップの中身を読み取らなくても、これまでの車検証と同じ感覚で情報を確認できるのが、記録事項という書類の便利なところですね。



カードを見ただけでは「次の車検がいつか」が分からないのは、ちょっと不便に感じますね。
携帯義務の有無
ドライバーとして絶対に知っておかなければならないのが、道路運送車両法に基づく携帯義務のルールです。結論から言うと、車の中に必ず備え付けておかなければならないのは「電子車検証(ICタグ付きのカード)」の方です。
自動車検査証記録事項については、法律上の携帯義務はありません。不携帯による罰則の対象となるのはあくまで車検証本体なので、この点は混同しないように注意してくださいね。
ただし、外出先で事故に遭った際や、警察の検問などで詳細な情報を求められた場合、記録事項があった方がスムーズに対応できるケースも多いです。そのため、基本的には車検証本体と一緒に車内で大切に保管しておくのが、最も安心で確実な管理方法と言えるでしょう。
不測の事態に備えて、コピーを1枚車に入れておくのも賢い選択ですよ。



法律ではカードだけでOKだけど、実務上はセットで持っておくのが正解だね!
自動車検査証記録事項が必要な具体的ケース


法律上の携帯義務はないものの、日常生活のさまざまな場面で「自動車検査証記録事項」の提出を求められることがあります。
任意保険の手続き
自動車保険(任意保険)の新規契約や更新手続きでは、必ずといっていいほど車検の有効期限や所有者情報の確認が必要になります。先ほどお伝えした通り、電子車検証の券面にはこれらの情報が印字されていません。
保険会社に書類を郵送したり、WEBサイトで情報を入力したりする際は、記録事項に書かれた正確な日付や住所を参照することになります。もし記録事項が手元にないと、わざわざアプリを立ち上げてICチップを読み取らなければならず、手間がかかってしまいますね。
スムーズな手続きのためには、任意保険の契約には詳細な有効期限が必要であることを覚えておきましょう。保険代理店の担当者に書類を提示する際も、記録事項を見せたほうが相手もすぐに内容を把握できるので親切ですよ。



保険の手続きのたびにアプリで読み取るのは大変なので、紙があると助かります!
ETCコーポレートカード申請
法人や個人事業主の方が利用する「ETCコーポレートカード」の申請や車両登録の際にも、記録事項が必須となるケースが目立ちます。これらは厳格な審査が行われるため、車両の所有関係や有効期限が公的に証明されている書類が求められるからです。
電子車検証のコピーだけでは情報不足とみなされ、受理されない可能性があるため注意が必要です。多くの窓口では、電子車検証と自動車検査証記録事項の両方をセットで提出するように案内されています。
特にビジネスで車を利用している場合は、法人名義でのETCカード申請に紙の書面が必要になる場面が多いことを念頭に置いておきましょう。管理担当者の方は、電子車検証を受け取った際に、必ず記録事項もデジタルデータまたは紙でセット保管するルールを作っておくと良いですね。



会社の車を管理してる人は、この「紙の控え」を失くさないように注意してね。
車両の売却・廃車
車を売却したり、廃車にしたりする際の手続きでも、自動車検査証記録事項は重要な役割を果たします。中古車買取店や解体業者などは、その車両の正確な所有権を確認する必要があるため、詳細な情報の提示を求めてきます。
電子車検証には所有者の氏名が載っていないため、記録事項が所有権を証明する有力な補助書類となるわけです。これが手元にない場合、業者がアプリで情報を確認する作業が発生し、査定や手続きに余計な時間がかかってしまうこともあります。
「自分はこの車の持ち主です」ということを証明するためにも、売却時には所有者情報の確認が欠かせないことを知っておいてください。大切に乗ってきた愛車をスムーズに手放すためにも、記録事項は車検証入れの中に常に忍ばせておきましょう。



査定の時に「情報が見られない!」と焦らないように、ちゃんと準備しておきます。
車検証閲覧アプリでの情報確認と印刷手順


もし手元に自動車検査証記録事項の紙がなくても、スマートフォンがあればいつでも情報を確認したり、印刷したりすることが可能です。
アプリの導入
まずは、スマートフォンに「車検証閲覧アプリ」をインストールすることから始めましょう。このアプリは、電子車検証のICタグを読み取るための公式なツールで、iOSとAndroidの両方に対応しています。
アプリストアで「車検証閲覧」と検索すれば簡単に見つけることができます。アプリを起動すると、カメラでのQRコード読み取りや、NFC機能を使ったICタグの読み取りメニューが表示されます。
導入自体はとても簡単で、会員登録なども不要ですぐに使い始めることができますよ。
一度スマホに入れておけば、アプリを使えばいつでも最新情報を確認できるので、万が一書類を失くしたときでも安心ですね。車検を終えて新しい電子車検証を受け取ったら、その場でアプリを試してみるのがおすすめです。



とりあえずスマホに入れておけば、いざという時に「有効期限いつだっけ?」が解消するよ。
ICタグの読み取り
アプリの準備ができたら、実際に電子車検証のICタグを読み取ってみましょう。操作はシンプルで、まずは電子車検証の券面にある「セキュリティコード」を入力するか、QRコードをスキャンします。
その後、スマートフォンのNFC読み取り位置を、電子車検証のICタグ部分にピタッと合わせます。読み取り中はスマホを動かさないようにするのがコツで、数秒待つだけで画面に車両の詳細情報がずらりと表示されます。
コツを掴めば、スマホをICタグにかざすだけで読み取り完了するので、機械操作が苦手な方でもそれほど難しくありません。読み取り位置はスマホの機種によって異なるため、反応が悪いときは少しずつ位置をずらしながら試してみてくださいね。



電子マネーを使うときみたいな感覚ですね。これなら私でもできそうです!
PDFの出力・印刷
アプリで読み取った情報は、そのままスマートフォン内で確認するだけでなく、PDFファイルとして出力することも可能です。このPDFこそが、紙で配布されていた「自動車検査証記録事項」と同じ内容のデータになります。
画面上の「出力」ボタンをタップすると、PDFが生成され、メールで送ったり、クラウドストレージに保存したりできます。コンビニのネットプリント機能を利用すれば、自宅にプリンターがなくても簡単に紙として印刷することができますよ。
自分でPDF形式で保存して自宅のプリンターで印刷しておけば、いつでも任意保険の手続きなどに利用できる「紙の控え」を手に入れられます。デジタルの便利さを活かしつつ、必要なときだけ紙に戻すという柔軟な使い方ができるようになりましょう。



PDFをスマホに保存しておけば、外出先で紙を忘れてもサッと見せられるね。
電子車検証と記録事項の運用


制度の変更に伴い、これまでは当たり前だった「窓口で紙をもらう」という運用が大きく変わっています。
窓口配布の原則終了
これまでは車検後、電子車検証と一緒に「自動車検査証記録事項」というA4サイズの紙が運輸支局などの窓口で補助的に配布されてきました。しかし、この窓口での一律配布という運用は、制度の定着に伴って原則として終了しています。
つまり、今後は新しい車検を受けても、窓口で渡されるのは「小さな電子車検証」だけになるのが基本です。これまで「あの大きい方の紙がない!」と驚いていた方も多いかもしれませんが、それが現在の標準的な運用なのです。
業界のレポートでも、電子化の進展により物理的な書面配布を減らし、デジタルへの移行を促進する方針が示されています。そのため、今後は窓口での記録事項の配布が行われないことを前提に、自分で情報を管理する準備をしておく必要がありますね。



えっ、もう紙はもらえないんですね。ちょっと寂しいし、不安な気もします……。
自力取得が必要なケース
窓口での配布が終了したということは、自分自身で情報を取得しなければならない場面が増えることを意味します。例えば、先ほど挙げた任意保険の更新や、会社への車両登録情報の提出などがこれに当たります。
車検をディーラーや整備工場に依頼した場合、親切な業者であればアプリから情報を出力して、紙の控えとして渡してくれることもあります。しかし、これはあくまでサービスの一環であり、全ての業者が対応してくれるわけではありません。
自分自身でアプリを使いこなし、自身でデータをダウンロードして管理する習慣を身につけることが大切です。スマートフォンを持っていない、あるいは操作が不安という方は、車検を依頼する際に「記録事項の控えをいただけますか?」と一言相談しておくとスムーズですよ。



「やってもらって当たり前」から、自分でデータを持つ時代に変わったんだね。
代替の確認手段
スマートフォンを所有していない方や、アプリの動作環境を満たさない機種を使っている方でも、情報を確認する手段は他にも用意されています。例えば、パソコンに接続できる「ICカードリーダー」があれば、パソコン版の車検証閲覧ポータルから情報を確認・印刷することが可能です。
また、どうしても自力での確認が難しい場合は、最寄りの運輸支局などの窓口にある端末を利用して、情報を確認することもできます。ただし、わざわざ窓口まで足を運ぶのは手間がかかるため、まずは身近な手段を検討しましょう。
どうしても困ったときは、スマホがない場合は代行業者へ相談するのが得策であり、整備工場などで対応してもらえるか確認してみてください。デジタル化は便利ですが、誰もが置いていかれないような代替手段も確保されているので、まずは落ち着いて対応していきましょう。



スマホがなくても、やり方はあるんですね。ディーラーさんにも相談してみます!
自動車検査証記録事項車検証違いに関するQ&A
まとめ:車検証と記録事項の違いを理解して備えよう
- 電子車検証には有効期間などの詳細が載っていないため、全情報を網羅した記録事項と併せて管理しましょう。
- 外出先でのトラブルや各種手続に備えて、電子車検証と自動車検査証記録事項を両方車内に保管すべきです。
- 車検証閲覧アプリで情報は確認できますが、車検や売却の手続には紙の記録事項が必要になる場面が多いです。
- 2026年以降は記録事項が交付されなくなるため、アプリの活用や自身での印刷に備えておく必要があります。
電子車検証と自動車検査証記録事項、この2つの役割の違いはとてもシンプルです。ICタグ入りの電子車検証は「法的な携帯義務があるもの」。
対して、詳細な情報が載った記録事項は「保険や売却の手続きで使うもの」と覚えておけばOKです。車内に必ず備え付けるべきは電子車検証。ですが、車検の有効期限や所有者情報の確認が必要な場面では、記録事項の情報が欠かせません。
今後は窓口での記録事項の配布が原則として終了するため、自分でアプリを使って最新情報を手に入れる準備が必要です。私だったら、いざという時に慌てないよう、電子車検証と印刷した記録事項をセットにして車内に保管しておきます。
まずは車検証閲覧アプリをインストールして、手元の電子車検証を読み取ってみてください!








